海外かいがいから入国にゅうこくの人ひとなど 感染かんせん確認かくにん相次あいつぐ

先月せんげつ以降いこう、各地かくちではしかの感染かんせん者しゃの報告ほうこくが相次あいついでいて、奈良なら県けんでは海外かいがいから入国にゅうこくした男性だんせいが感染かんせんしていたことがわかり、この男性だんせいと接触せっしょくのあった別べつの男性だんせいも感染かんせんが確認かくにんされました。

また、今月こんげつ1日にちにはアラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうから帰国きこくした大阪おおさか府ふの男性だんせいがはしかに感染かんせんしていることがわかり、これまでに、この男性だんせいを含ふくめ同おなじ飛行機ひこうきに乗のっていたなどの男女だんじょ、合あわせて10人にんで感染かんせんが確認かくにんされています。

このほか、今月こんげつ18日にちに東京とうきょう都とで東南アジアとうなんあじあから帰国きこくした男性だんせいの感染かんせんが確認かくにんされていて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、20日にち時点じてんで全国ぜんこくで少すくなくとも15人にんの感染かんせんが確認かくにんされているということです。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょのまとめでは、国内こくないでのはしかの感染かんせん者しゃは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが広ひろがった2020年ねん以降いこうは年間ねんかん数すう人にんから数すう十じゅう人にん程度ていどにとどまっていますが、その前まえの2019年ねんには世界せかい的てきに流行りゅうこうし、国内こくないでも700人にんを超こえる感染かんせん者しゃが報告ほうこくされています。

国立こくりつ感染かんせん研究所けんきゅうじょは、世界せかいで感染かんせんが拡大かくだいしていることや、渡航とこう制限せいげんが解除かいじょされ移動いどうが活発かっぱつになっていることが拡大かくだいの要因よういんではないかと分析ぶんせきしています。

厚あつ労ろう省しょうなど “子こどもの定期ていき接種せっしゅワクチンは確保かくほ”

厚生こうせい労働ろうどう省しょうなどによりますと、はしかを予防よぼうするワクチンについては、「定期ていき接種せっしゅ」と呼よばれる子こどもが公費こうひで接種せっしゅする分ぶんについては必要ひつよう量りょうを確保かくほしているということです。

ただ、定期ていき接種せっしゅ以外いがいの人ひとが接種せっしゅを希望きぼうしたため、一部いちぶの地域ちいきから定期ていき接種せっしゅの子こどものワクチンが不足ふそくしているという報告ほうこくがあがっているということです。

一方いっぽう、製造せいぞう・販売はんばいする大手おおて国内こくないメーカーは、ことし1月つき、ワクチンが十分じゅうぶんに効果こうかを発揮はっきできるとされている数値すうちが国くにの基準きじゅんを下回したまわったとして一部いちぶのワクチンを自主じしゅ回収かいしゅうし、はしかと風疹ふうしんの混合こんごうワクチンのみを出荷しゅっかする状況じょうきょうが続つづいています。

この会社かいしゃを含ふくめた国内こくないの製造せいぞう販売はんばい会社かいしゃなどは、子こどもが公費こうひで接種せっしゅする分ぶんについては必要ひつよう量りょうを確保かくほできているとしていますが、接種せっしゅを希望きぼうする大人おとなが想定そうてい以上いじょうに増ふえるなどして子こどものワクチンが不足ふそくする事態じたいを避さけるため、当面とうめん、出荷しゅっかを限定げんていして行おこなうとしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、定期ていき接種せっしゅの対象たいしょうとなっている子こどもの接種せっしゅを確実かくじつに行おこなうほか、熱ねつや咳せきのほか目めの充血じゅうけつや発疹はっしんなど、はしかを疑うたがう症状しょうじょうがある場合ばあいは、公共こうきょう交通こうつう機関きかんの利用りようを控ひかえ、医療いりょう機関きかんに事前じぜんに相談そうだんして指示しじに従したがってほしいとしています。

専門せんもん家か “大人おとなはまず抗体こうたい検査けんさなどで免疫めんえき確認かくにんを”

日本にっぽん小児しょうに科か医い会かい公衆こうしゅう衛生えいせい委員いいん会かいの副ふく委員いいん長ちょうの時田ときだ章あきら史し医師いしは「はしか」については、ワクチンが唯一ゆいいつの感染かんせん予防よぼう手段しゅだんだとしたうえで「子こどもが確実かくじつに接種せっしゅできるようワクチンの供給きょうきゅうが安定あんていするまで、大人おとなはまずは抗体こうたい検査けんさなどで自分じぶんの免疫めんえきを確認かくにんして必要ひつよう性せいを判断はんだんしてほしい」と呼よびかけています。

時田ときだ医師いしは、はしかについて「ウイルスの感染かんせん力りょくが非常ひじょうに強つよく、後遺症こういしょうが残のこる可能かのう性せいが高たかい感染かんせん症しょうだ。はしかを治なおす薬くすりは開発かいはつされておらず、感染かんせんしないためにはワクチン接種せっしゅが唯一ゆいいつの手段しゅだんだ」としています。

はしかのワクチンは、2000年ねん4月つき2日にち以降いこう、1歳さいから2歳さい未満みまん、5歳さいから7歳さい未満みまんでかつ小しょう学校がっこう就学しゅうがく前まえの1年間ねんかんの年長ねんちょうの2回かいが「定期ていき接種せっしゅ」と呼よばれる公費こうひでの接種せっしゅの対象たいしょうになっています。

一方いっぽう、大人おとなについては、時田ときだ医師いしによりますと、国内こくないではかつて感染かんせんが広ひろがっていたことや、大半たいはんの人ひとがワクチンを1回かいは接種せっしゅしていることなどからはしかの抗体こうたいを持もっている人ひとが多おおいとしています。

こうしたことから、国内こくないでワクチンの限定げんてい出荷しゅっかが解除かいじょされる見通みとおしが立たっていない中なかでは、優先ゆうせん順位じゅんいをつけて接種せっしゅを進すすめる必要ひつようがあるとして「子こどもの間まで感染かんせんが広ひろがると大おおきな流行りゅうこうにつながるため、定期ていき接種せっしゅの対象たいしょうである1歳さいや年長ねんちょうの年齢ねんれいの子こどもが確実かくじつに打うてるようにすべきだ」と話はなしていました。

そのうえで、持病じびょうがあったり妊婦にんぷが家族かぞくにいるなど感染かんせんの広ひろがりに不安ふあんを覚おぼえる人ひとについては「ワクチンを接種せっしゅする前まえにまずは抗体こうたい検査けんさで免疫めんえきを確認かくにんしてほしい。そのうえで、自分じぶんが住すんでいるエリアで流行りゅうこうが広ひろがるなど差し迫さしせまった状況じょうきょうになった時ときに接種せっしゅを検討けんとうしてほしい」と呼よびかけていました。

ワクチン接種せっしゅの問い合といあわせ相次あいつぐクリニックも

はしかの感染かんせん者しゃが全国ぜんこくで確認かくにんされる中なか、都内とないのクリニックにはワクチンの接種せっしゅを希望きぼうする人ひとからの問い合といあわせが相次あいついでいます。

東京とうきょう・杉並すぎなみ区くの小児しょうに科かや内科ないかのクリニックでは、今月こんげつ上旬じょうじゅんごろから子こどもだけではなく大人おとなも含ふくめて、はしかのワクチン接種せっしゅを希望きぼうする人ひとがふだんは問い合といあわせがないにも関かかわらず、一いち日にち10件けんから20件けんほど寄よせられているといいます。

ワクチンの接種せっしゅが任意にんいだった現在げんざい50代だい以上いじょうの人ひとや、定期ていき接種せっしゅが1回かいのみだった20代だい半なかば以上いじょうの妊娠にんしんを希望きぼうする女性じょせい、それに妊婦にんぷの家族かぞくなどからの問い合といあわせが多おおいといいます。

しかし、これまで大人おとななど定期ていき接種せっしゅの対象たいしょう外がいの人ひとにも希望きぼうがあれば全員ぜんいんに自己じこ負担ふたんでワクチンを接種せっしゅしていましたが、ことし1月つきごろから業者ぎょうしゃから仕入しいれられるワクチンの量りょうに上限じょうげんが設もうけられ、いまは原則げんそく、「定期ていき接種せっしゅ」の子こどもなどに限定げんていして対応たいおうしています。

6歳さいの男の子おとこのこの定期ていき接種せっしゅに訪おとずれた30代だいの母親ははおやは「はしかは感染かんせんすると大変たいへんだと聞きいていたので、接種せっしゅできて安心あんしんしました。自分じぶん自身じしんの接種せっしゅ歴れきははっきりとわからないので、この機会きかいに夫婦ふうふで確認かくにんしたいと思おもいました」と話はなしていました。

院長いんちょう「国くにはワクチンの入荷にゅうか見込みこみ示しめしてほしい」

クリニックでは、ワクチンの供給きょうきゅうが安定あんていするまで不安ふあんな人ひとには自己じこ負担ふたんでの抗体こうたい検査けんさを薦すすめているということですが、たむら医院いいんの田村たむら剛つよし院長いんちょうは「いつワクチンが通常つうじょうどおり入荷にゅうかできるかわかれば在庫ざいこ量りょうを調整ちょうせいして任意にんい接種せっしゅの希望きぼう者しゃにも対応たいおうできるかもしれないので、国くににはワクチンの入荷にゅうか見込みこみを明確めいかくに示しめしてほしい」と訴うったえていました。